今週のトピック

「じーっとしてないで」2017年10月01日

ローマ人への手紙 12章 11-12節

「勤勉で怠らず、霊に燃え、主に仕えなさい。
望みを抱いて喜び、患難に耐え、
耐えず祈りに励みなさい。」

最近、うちの息子が思い立ったように「じーっとしてても、どうにもならねえ!」と意味深な(??)フレーズを叫ぶ時があります。これは、父子で毎週楽しみにしてテレビで視聴している最新シリーズの「ウルトラマン」。その変身をする前の決まり文句で、その格好良さから、彼も気に入ってしまったようです。

ただ、子ども向け番組とは言え、このフレーズは深い意味があると思います。目の前に迫っている危機に際して、ただ何もしないで死を待つのか、それも自分だけではなく多くの人たちに影響を及ぼしかねないのなら、じーっとしていてはダメだと、私たちは奮起をすべきでしょう。しかし、問題はこの「ドラマ」の中でも取り上げられるのですが、立ち上がることがむしろマイナスになったり、どう考えても自分一人で動き出しても何も現状は変わらないことが目に見えてわかる時もあると思います。その主人公も、ウルトラマンになる力を一時失い、自分ではどうしようもない状況に追い込まれる中で、一度は「自分には何もできないという思いにとらわれる」場面が展開されるのですが、私自身においても八方塞がりで、自分がなすべきことがわからず動きようがないと思える時を何度も経験したことがあります。

そう考えると矛盾を抱える言葉ではあるのですが、上記の聖書のみことばを読み、私自身はそうとも言えないのではないかと思い直しています。聖書も明確に勤勉なことを勧めています。何もしないでい続ける、怠けることは神様のみこころではないのですが、ただそれと同時に耐えることをも教えていることに目が開かれます。何もせず耐えるべき時もあるのです。でも正確には何もしないでいるのではなく、祈ることができることを教えられます。たとえ今何もできないように感じても、少なくとも祈ることで、今自分自身のなすべきことが何か、そのことを示されるのではないかと思うのです。そして、そこから神様に示され、一歩自分の信仰を成長させていきたいと考えさせられています。

(文=加藤信行 伝道師)


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